フォンテーヌの寓話に「うさぎの耳」という話がある。
動物の国の王様ライオンが角のはえた動物に傷をつけられた。
ただちに追放令が布かれた。
臆病者のうさぎは自分の影を見て、
その対象となる頭に角をもつ動物と間違えられるのではないか
と恐れて隠れてしまう
そんな話だ。
異端審問官は私の耳を角というだろう。
*
言われた言葉をどのように受け取ることができるかは受け手の感性および知性の問題である。これは他の何人にも侵すことはできない。しかし、聞こえたものをアウトプットするとき、表現によっては嫌われるものがある。
それらは尖っているとされる。同じ言葉を聞いた別の人にとって好ましくない表現の場合にいわれる。彼らの心理を逆なでするに加えて、言葉を言った人を怒らせる危険もある。
ここでは漫画作品(『わざぼー』)のキャラクター紹介という形で極端な例をあげる。
* * *――下ネタ
恥を恐れる者たちのあいだでは自らが木の股から生まれ、
霞を食べて生きることを証明するための踏み絵として用いられる。
ゆえに、彼らをより高みに至らしめるための踏み台にされるだろう。
● 技神まー
マント姿で素性を隠し不敵な笑い声をあげて身体からぼーをだす、
文章にしてみると変質者のような登場の仕方をした少年。
3巻「技神まーと…」
この笑いかたはあやしい。
髪型がダイナミックに立ち上がらせた長髪なので連想しにくくあるが、顎のあたりまでをマントに隠す姿は包茎に関する相談コマーシャルを彷彿させる。(そして、ぼーを出したらマントをはずす)……戦ってる敵もヘビだし。また、自身の居城・暗黒ま城の部屋に飾ってあるわざ武王の完全形態の絵画(予想図と思われる)はユングの夢に登場したという人喰い? いや、ちんこだ。そのように、彼にはなぜか男根的イメージがつきまとう。いろんなところからトゲ生えてるし。
――曲解/屁理屈
素直に真っ直ぐ受け取ることのできる純粋で正しい人の神経を逆なでする。
作品内にある情報を絡めて最もらしく語ると混乱を招き、
彼らをより苛立たせることになるだろう。
● わざ武王
偉大なる存在にして、最終ボス。恐怖と絶望と悲しみと服従を強要しようとする。不意打ち、黒歴史をほじくり返して動揺を誘うという卑劣な攻撃を行ったり、「このまま殺すにはおしい男」だから氷漬けにするなど、技風むむをなかなか手放さない。息子を彼女にとられたくないオカンのような執拗さを発揮して、技々みみみとのバトルを激化。昼ドラさながらのドラマを生み出した。
3巻「2人のちからとわざぼー」
パートナーの浮気への嫉妬を具現化した妖怪とも思われる。
「ククク…このすばやく動く目玉を…、キミにとらえるコトができるかな?」
ーー[「同上」]
「さあ…! そろそろ始めようぜ…、…最後の勝負だ…!!」
ーー[3巻「完全決着だ! わざぼー!!」]
など、荘厳な存在でありながら意外とフランクな喋りをすることがある。
――罵る
悪口は他人事にも気分がいいものではない。
そんなことばかり言っていると、誰も話を聞いてくれなくなるだろう。
● 技風むむ
殺すか殺されるかという戦いの最中、楽しげに笑っている態度がふざけている。気になることがあると説教をかまし、「戦士の強さは目の輝きだ」「おまえの手は相棒をにぎるため」とか、観念的なワードを用いる詩人気取りは自分で恥ずかしくならないのだろうか。そんなことより、きゅうり食べられるようになればいいのに! ……その昔、コロイチ! の公式サイトで公開していたわざぼーのゲームでは倒すたびに上気した笑顔を浮かべるから、なんのプレイをしてるのか意味がわからなかった。頭、大丈夫か? 所属している組織を簡単に裏切ったり、口を割らせるために自分より小さい子を脅したり。どちらも女を追っかけるためとか、本当にろくでもない奴だ。戦いには負け続けで腹を打ち抜かれてばっかりのこんな奴、ザコキャラがお似合いだ! 物笑いの種になればいい!!
3巻 同上
せいぜい、きゅうりを食べられるようになってから言うべきだな!
*
私は人前にでられない。
ちんこはないし、オカンでもないが、ザコキャラだからだ。
私の耳は角ということになるでしょう。
さようなら、隣のコウロギさん……
【備考】
いけ好かない記事および、画像を悪用するとはこういうことだろうなーという例示になります。記事本文の内容に十分な関連性がない場合、また、原作の内容にそれほど関連性のない説明が添えられる場合に、一部をトリミングされた画像が原作について曲解を招く恐れがあることを示せていれば大成功ですが。
この記事以後、控える判断を踏み切って引用するからには、その画像が誤解や曲解をされない書き方を心がけたいと思います。(この記事はふざけています)
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